二つの戦い方

S.C.相模原の県1部昇格が決定した。
10月25日、ザウルス西湘南に3-0で勝利したS.C.相模原は、リーグ戦9連勝を飾り、無敗で県1部への切符を手にした。

当然の結果だ。選手たちもチーム関係者もそれは自覚している。Jリーグ参入を目標とするチームが、県2部で躓くわけにはいかない。彼らは最低限のノルマを果たしたにすぎない。

今季の県リーグを振り返れば、当たり前だが、圧倒的な強さを見せつけていた。対戦相手のほとんどは、自陣に引いて守備を固め、攻撃はカウンターに頼っていた。二桁得点を記録した結果が伝わると、その傾向はさらに顕著になった。

S.C.相模原の選手たちは、壁のように守る相手を崩してゴールを挙げなければならない試合が続いた。リーグ後半、得点数が下がったのはそのためでもある。

秋葉忠宏は言う。
「引いた相手を崩すには、よりプレーの精度やスピードを高めていかなければならない。パスを出す際にも受け手にメッセージを込めたような、意図のあるプレーをしていかないと、崩すのは難しい。それとアイデアや工夫がもっと必要です。個々が一対一で勝負するのでも、ドリブルを仕掛けるのでもいい。工夫していかないと……」

引いた相手を崩すには、ゴール前でのより緻密なプレーがものをいう。筆者が取材した試合でも決定機は数え切れないほどあった。どの試合も二桁得点は可能な内容だった。にもかかわらず、それが達成できなかったのは、フィニッシュの正確性、ラストパスの質、ゲームの組み立てがまだまだ足りなかったからだ。

それを選手たちも分かっている。秋葉は続ける。
「イージーミスをなくすのはもちろん、プレーの質、精度を欠いているから3点、4点しか奪えない。相手が引いて守ろうと、丁寧に、大切にプレーしていれば、もっと得点できた」

今シーズンのリーグ戦も残り2試合となったが、県1部で戦う来シーズンもはっきりしていることがある。それは、来シーズンも彼らは同様の試合展開を強いられるということだ。県1部でも圧倒的な結果と内容での勝利はノルマとなる。ゴール前へ至るゲームメーク、ラストパス、そしてフィニッシュ。その一つひとつの精度を高めていく必要があるだろう。

一方で、全社や天皇杯といった大会では違う戦いが待っている。勝ち進めば進むほど、互角の勝負を挑んでくるチームと対峙することになるからだ。

彼らは二つの戦い方を身につける必要がある。引いた相手を崩して点を取るサッカーと、互角の相手から勝利するしたたかなサッカー。その二つを相手によって切り替えられてこそ、様々な大会を突破していくことができる。

秋葉はさらに続けた。
「来シーズンへ向けた戦いはすでに始まっています」

原田大輔

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